今日は腰痛の話です。
腰痛にはいくつかの疾患名が付けられることがあります。
◇筋・筋膜性腰痛
◇腰椎症
◇腰椎圧迫骨折
◇腰椎椎間板ヘルニア
◇腰椎分離症
◇腰椎すべり症
◇髄膜刺激症状
◇脊椎カリエス
◇腸腰筋結核感染症状
◇腰部脊柱管狭窄症
◇骨粗鬆症
◇変形性腰椎症
◇腹部大動脈瘤性由来炎症性腰痛
◇内臓疾患性腰痛…
◇神経性障害疼痛
症状名だけをただむやみに羅列してみましたが、実際のところ、
名前では分からない要素があります。
その要素が時間経過による「経年変化」という要素です。
「腰痛にこれが効く!」「このストレッチが…」
「なんとかかんとか法で…」「神経ブロックで…」
といった、魔法のような変化を思わされるような体験者の感想や、治療の動画、「ラクになった」という患者さんの声を元に立てられた仮説を声高に喧伝します。
しかし、その場での痛みがラクになること・症状が変わることが、必ずしも身体の働きを回復させているとは限りません。
それは、あくまで「変わった」という仮説の域を出ない言わば印象論でしかないからです。
身体に起こった経年変化は、細胞の質を変えます。弾力・形質・骨軟骨及び筋組織の脱水などの変化変性・流体物の走性の変化変容・神経及び血管の変性など多岐に及びます。
これらを全て把握することは、その方の既往や行動特性やパターン・性格・運動量・報酬系と神経感作状態などを把握しながら身体を診る幾つもの視点が重要となります。
多くの人が、そのことに薄々気がついているからこそ、最初は医師が行使する医療を含めて全ての治療法に不安覚えるのはごく自然なことだと思います。
しかし、これは腰痛のような筋骨格だけの問題ではないことはお分かりになることと思います。
それだけに、今後日本における医療制度が大転換期にさしかかっている今こそ、「何かあれば病院へ」という意識から「常に細かなセルフチェック」を各々が行うことをしていきたいものです。
その事によって商業ベースに乗った誤った医療を減らすことが出来るのです。
具体的には、まずは歩行をベースとした動作を基準に、良く身体を動かして呼吸や食事・排泄能力や自律神経状態などを把握しておくことが望ましいでしょう。
ついつい「忙しいから」と口にしてしまうこともあると思いますが、それとは裏腹に人の生命活動は待った無しです。
健康でいたいのか、病みがちでもよいのか?身体をどうしていきたいのか?ということを、誰しもがよく考えて、未来志向で「今日」を過ごしていければと私は願います。
美骨整復くるみの実 代表 谷崎政一郎