四六時中は痛くない腰痛に向いている枕を考えた答えが出ました
〜腰痛歴18年の研究の成果
いきなり結論から申し上げますと、『枕を使わないこと』以上が答えになります。
答えだけ知りたかった方や、ご興味のない方はここからは、
なぜ腰痛持ちの人には枕が必要ないのか?という理由について語っていきますので、読まれなくて大丈夫です。
今回は、
1.腰痛には枕が要らない理由
2.枕がある弊害
3.枕がないデメリット
4.枕の硬さや高さが腰痛改善には関係がない理由
5.タオルを枕がわりにしてもそれは枕という事実と向き合うと分かること
こんな内容を話していきます。
1.腰痛には枕が要らない理由
そもそも、腰痛と枕には関係があるのか?と思われる方もいらっしゃると思います。確かに、直接的には腰痛と枕には関わりは縁遠く、関係がないように思うのが普通だと思います。
しかし、睡眠の際の 『寝姿勢』『寝返り動作環境』に着目して睡眠中の人を観察すると気がつくことがあります。
それは多くの人において、「枕を中心に頭を配置して姿勢を保ち、或いは寝返りを行っている」ということ。
子育てをしたことがある方や、その光景を見たことがある方なら誰しもがわかることですが、“首が座り始めてから、頭の大きさと体の大きさが大人と同じ配分になるくらいまでの間の子供は枕に関係なく縦横無尽に寝返りを打つ”という事実。
また、この頃の子供の多くは腰痛を訴えることはほとんどありません。
子供は腰痛を感じることが多くない。
そして、寝返る移動幅も大きい。腰痛の人では寝返りの移動幅が大きくない。
この2点を考えていくと、見えてくるもの。
それは行儀の良い寝返り…つまり枕に頭がある状態で寝返ろうとするか、
気にしないで寝返るのか?という違いに気がつくことができます。
こういった理由から、枕があることで行儀よくなってしまいやすい睡眠時の
『寝姿勢』・『寝返る動作環境』に枕が関与していることが示唆されているといえます。
2.枕がある弊害
枕があると、『寝姿勢』『寝返りの動作環境』が大きな寝返りを消極的にする要因であることを話しましたが、さらに腰痛の人にとって枕が与える影響を考えていきます。
昨今、健康志向の高まりから寝具に気を使う人が増えていると聞きますが、ここにも一つ盲点があります。それは枕の進化により、首の座りがいい枕や、寝た時にフィット感が高すぎることで、寝返りを打つ理由の一つである、「無意識での不快感」が生まれない点です。
不快な睡眠姿勢の何が悪いんだ?と思われるかもしれませんが、事実、固い床で寝たことのある方なら分かりますが、寝心地が悪すぎるせいで必要以上に半覚醒し、寝返りを打ってしまいます。
実際、ある大学の研究論文において、睡眠周期と体動回数(小さな寝返りを含む)には密接な相関関係があり、眠りが浅い時には多く動き、反対に深い眠りの時には体があまり動かない傾向があるということが判明しています。
自分にあった快適な枕があるほどに覚醒・半覚醒ある睡眠周期が減り、身体をあまり動かさない睡眠周期が増えることになるということです。
3.枕がないデメリット
しかしながら枕がないことでの、重大なデメリットがいくつかあります。
それは
・首がツラくて寝心地が悪くなることがある
・長年の腰痛の方に多い、ストレートネック傾向の症状が悪化する可能性がある
こういった点です。腰痛をほとんど感じたことのない方、首の骨のカーブが柔軟でしっかりある方には枕がなくても快適に眠ることができるため、デメリットを感じづらいでしょうが、今回の腰痛持ちの人にはそのデメリットは小さくないものといえるのではないでしょうか。
4.枕の硬さや高さが腰痛改善には関係がない理由
前述したように、寝心地・首座りがいい枕ほど、睡眠周期での深い睡眠が長くなりやすい傾向にあり、ぐっすり睡眠となりますが、こだわって硬さや高さを微調整するほど、寝返り頻度・体動回数が減ることにつながり、腰痛にとっては不都合な板挟み状態になっていきます。
5.タオルを枕がわりにしてもそれは枕という事実と向き合うと分かること
枕がない方がいいと考える方は一定数いて、実際タオルでの枕を使う指導をする健康関連・医療関連の方もいらっしゃいます。しかしながら、高さを調整できるタオルといえども枕は枕、『寝姿勢』『寝返り動作環境』には大きく変化はありません。
いかがでしたでしょうか?
結果的にいえることは、枕は自分に合いすぎてもダメだし、なくても睡眠が浅くなりさまざまな健康に影響を与える可能性があることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
おそらく、これを読まれている方が1番知りたいであろう、どんな枕を選んだ方がいいのか?という点に関してお答えすると、あなたの首カーブや硬さ、腰痛の程度に合わせた最適な枕のチョイスを直接身体を診てくれる専門家にあなたに『ちょうどいい枕』を見つけてもらうのがベストだと思いますので、枕の専門家ではなく、腰痛に詳しい我々に相談してもらい、一緒に枕を考えていくことをしてみるのも一考かと思います。
自分にあった寝姿勢・寝返りの動作環境が気になる方はぜひ一度ご相談ください。