『敵に塩をおくる』
『しおらしい』
『地の塩』
『手塩にかける』
『強飯(こわめし)に胡麻塩』
これらのどのことわざも、塩の貴重さやその価値を表したものです。
すぐにお分かりになられた方も多いでしょうが、
タイトル問いの答えは「塩」です。
その昔、德川家康の側に仕えた阿茶の局がそう答えたそうです。塩加減で食事はどちらにも転ぶと。
ことわざからも分かる通り、その時代、塩は貴重品でした。
理由は、その頃も昔からも日本では岩塩はあまり取れず、高温多湿な環境ということもあり、天日塩があまり出来なかった。
貴重でいてしかも生活必需品ということもあり、税をかけやすかった故、国がタバコなど共に「専売」を始めました。
古くは中国で安定した税を取るため始めた専売。
戦後、戦勝国アメリカの権益により、日本国が専売していた塩やタバコを特殊法人化し、「専売公社」が出来ました。
やはりその時代も塩は貴重で必需品だったからです。
しかし、塩の純度が高められるようになり、塩田で作っていた業者は廃業し、輸入に依存することになっていきます。(現在の輸入率は85%)
結局専売公社は今は名を変え、JTと呼ばれる会社になった。ご存知の通り、税金を吸っていると言われるタバコなどを扱う企業です。
貴重品であるはずの塩は、貴重品では無くなりました。しかも専売公社は塩のしょっぱさの成分だけ抽出し、それを名前を変わらずに『塩』として販売しました。
ここにヒントがあります。
いまや高血圧やガンの一番の原因と言われ、減塩や塩を使わないように喧伝されている風潮さえできてしまっています。
ここで大きな間違いがありました。
ここでいうところの「塩」は、精製された高純度の「塩化ナトリウム」であり、海水の主成分そのままに作られた天日塩や岩塩の豊富にミネラルを含む塩とは異なります。
ミネラル豊富な塩
かつて東京湾にも塩田がたくさんあった
現在も過去も変わらない事実。
それは、
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○身体にとって塩(ミネラルを豊富に含む)は不可欠。
○塩(高純度塩化ナトリウム)は身体に毒。ガン細胞をのさばらす引き金にもなる。
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ということ。
気付かぬ間に、事が「すり替えられて」しまいました。もしくは、「すりわかった」のかもしれません。
身体の働きを正常に保つのには、ミネラルを含む『塩』は必要不可欠です。身体の70%(年齢差あり)は水分組成で、その水分を蓄える細胞は海水の濃度に近いのです。
それ故、積極的にミネラル塩を取りたい。 こんなところからも、身体の水成分・電解質を整えることの意味を理解できると思います。
精製された塩を取らずに、地球からの贈り物である天然の『塩』を積極的に取り、賢く体調を整えたいところです。
最後に、『米塩の資(べいえんのし)』とは、生きていく上で、食生活には米と塩が不可欠という意味の言葉があります。
多種多様のダイエットや健康知識の蓄積も良いですが、情報が手に入りやすいこんな時代だからこそ良い『塩梅』で、知恵に変えて行きたいですね。
情報は塩と一緒で、「うまくも、まずくもなる」のですから。
美骨整復くるみの実 代表 谷崎政一郎