【馬は爪、犬は指、人は足裏】
施術の中で問題があった場合に歩き方の指導をしているのですが、時々こんな質問をされることがあります。
『カカトから着いて歩くんですよね?』
難しく考えると、大抵おかしな歩き方になるものなんですよね。
普通に歩いてくださいと言った途端に変な歩き方になる。
そもそもヒトでは足の裏全体を使って歩く身体の形をしているので、
『弓なりにたわませて』歩く必要があります。
【有蹄動物(ひづめ歩き)の馬の場合】ユウテイドウブツ
馬では、蹄のように不安定な形で接地面を支え膝が伸びきったような形で、
4本の足で安定させ、それぞれを大きく動かすことで、哺乳類の中でも高速移動を可能にしています。
その分、頭と首でおよそ140キロあり高速移動をより安定化させる為、首の靭帯を人の頭と首の重さのほぼ比例した質量で補う為、自作した絵のように「項靭帯」と呼ばれる首を支えている靭帯は大きく、強力です。
【趾行動物(指で歩く)の犬の場合】シコウドウブツ
犬は馬ほど速い移動ではないものの、速い移動を可能にしています。それに裏打ちするのが、
馬同様に四つの足それぞれの指で接地面を支える形状です。
馬は犬と比べて、指で立ち頭を高位に保つので知能が高いと言われています。
更に上へと頭の位置を上げたヒトでは、二足で立ち、手を自由肢として足の裏全体使って不安定の中での安定を作りました。
そこで二足歩行で安定化を図る為に高位になった身体のバランスをいくつかの場所にバランサーとして備えています。
そのバランサーの大きな比重を占めるのが、『腰』とそれに次ぐ『アゴ』です。
そのバランサーがあるおかげで足の裏全体で歩く、安定した二足歩行を可能にしています。
しかし速度を上げて走る場合は、爪先側に荷重が移動する為、歩いてバランスを取る時に必要だったバランサーである腰やアゴの働きは当然ながらあまり無くなります。
しかしながら、通常は走ることよりも一般の人は『歩く、立つ、座る』が基本的な動作な為、歩行機会が減少したり、足裏を着けないようになってしまい足の裏全体に荷重することが減ると、バランサーである腰やアゴは次第に機能低下し、終いには形をも変えてしまいます。
つまりはイメージとしての老人の姿勢のそれです。
腰は曲がり硬くなり、アゴは前に突き出て、膝は外へ曲がり、足裏は横に広がる。
子難しい話になったので、閑話休題。
以前にこんな話を聞いたことがあります。
サハラ砂漠やアタカマ砂漠、ゴビ砂漠などを7日で250キロほど走るグレイトマラソンと呼ばれるレースを走る人の話です。
その方が仰ったのは、グレイトマラソンで『背中が丸いと死ぬ』。
つまりはバランサーである腰はその働きがきちんとなされていると、背骨を柔軟に保つ事ができ、時に安定のため剛性も持たせることができます。この事を独自の表現で示したのでしょう。
いずれにせよ、きちんと足裏全体を使って体重移動をし、バランサーである腰を滑らかに、また、自分の思うように動かせることが、『ヒトを人足らしめる』人の身体の働きを維持することに繋がるのです。
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【まとめ】
分かりやすく、サクッとまとめます。
◇足の裏全体を使えるように日常からしよう!
◇アーチの足を持つヒトだから、良く歩いて身体を丈夫に保とう!
◇走っても身体は丈夫には出来ない。走って鍛えられるのは走るのに必要な働きだけ。
◇ヒトは馬でも犬でもなく、二本足で安定させて歩く蹠行動物(しょこうどうぶつ)。
◇知能と理性を高める為には二足歩行を沢山しよう。
◇老化の形で定義するなら、歩行不足=老化の始まり。
というわけで、明日もしっかり歩こうと思います!
【腰痛なんかこわくない。病気も己を知れば怖れるものではない。】
#腰痛#姿勢#幕張本郷#幕張#津田沼
美骨整復くるみの実 代表 谷崎政一郎